- SLOの概要(SLOとは?必要な理由)
- SLOの具体的な内容(SLO に設定する項目)
- SLOの注意点(公開責任・罰則はない)
- まとめ
1.SLO(サービスレベル目標)とは?
SLO(サービスレベル目標)とは「Service Level Objective」の略であり、サービスレベルの目標・評価基準を定めたものです。
具体的には、事業者がサービスを展開するにあたって設定する、サーバーやネットワークなどの「稼働率」「性能」「可用性」「セキュリティ」「サポート体制」といった項目ごとのパフォーマンスの目標値や品質の評価基準です。
SLOは公開責任がなく、あくまで自社内での目標として用いることが多いです。
2.SLOの具体的な内容
1.可用性
月どの程度サービスを稼働することができるのかについて定義する項目です。一般的にサービスが利用できる時間の割合を示したサービス稼働率で表します。
どの程度サービスが停止する可能性があるのかということやサービスが停止した時の告知方法についても明記します。
2.作業手順
サービス利用者に対しての手順の定義のみならず、システムメンテナンス時の手順の管理などのサービス提供者についての作業の明文化も含みます。場合によって、作業品質を保証するために手順書の作成・遵守などが定められています。
3.サポート体制
ユーザーからの問い合わせに対応することや不具合が発生した時にどのような方法をとってサポートするのかについての項目です。また、サポートの提供が利用できる時間なども明記されます。
4.セキュリティ
ISOやISMAPをはじめとするセキュリティ規格への準拠についてなど、どのような基準を設けてセキュリティを担保しているかを明記します。
3.SLOの注意点
SLOには公開責任がない
基本的にSLOは顧客との契約ではなくSLAを達成するための自社内の目標であるため、公開しなければいけないといったような決まりはありません。
そのため、SLOには、システムメンテナンス時の手順、目標作業時間など、SLAでは設定されない項目が含まれることもあります。
SLOには罰則がない
SLOはサービス提供者側の目標値であり、もし、SLOを達成できなかったとしても罰則や返金などのペナルティが設けられていません。
4.まとめ
SLOはサービスレベルを達成するために設けられる評価基準であり、いくつか項目ごとに設定されています。
SLOを設定することで、サービスにおいてどのような点の改善に注力するべきか明確にできたり、自社内でのサービスレベルに関する共通認識を高めることができます。
本記事がサービスを運用する際の参考になると幸いです。
当社は、SREのプロフェッショナル集団としてSREの組織形成から運用支援までを行っています。まずは何をどのように監視し、改善すべきか貴社の状況をヒアリングさせていただければと思います。